K様(広島市西区井口台エリア在住)は、数ヶ月に一度ぶり返す腰痛が、5〜6日前から急激に強くなり、夜中に何度も痛みで目が覚める状態が続いたため当院にご来院されました。過去にも腰痛を繰り返してきましたが、今回は痛みのスケールが10段階で7〜8と特に強く、立ち上がる動作のたびに鋭い痛みが走り、長時間座っていることも難しい状況でした。今月初旬に風邪で3日ほど寝込み、その後から症状が一段強くなった経緯もあわせて確認できました。本記録は、初回施術での評価と介入、その直後の変化、今後の方針をまとめたものです。
来院時の状態
主訴は、5〜6日前から急激に悪化した腰痛と、座位から立ち上がる際の鋭い痛みでした。夜間は寝つきから痛みが取れず、寝返りや姿勢を変えるたびに目が覚める状態が連日続いていました。立位の方が座位より楽に感じる一方で、長時間立ち続けることもできず、結局どの姿勢でも痛みから逃れにくい状況でした。動作の確認では、立位での前屈と後屈で明確な痛みが出るものの、左右へのひねりの痛みは軽度。座位でひねっても痛みが出ないことから、骨盤が固定されている状態でなら腰椎周囲は動かせるが、骨盤も含めて動かすときに安定性が崩れて痛みが出る、というパターンが見えてきました。痛みのスケールはご本人の体感で7〜8でした。
施術の経過
今回はブレシア®(brascia®/商標登録 第6920621号)の視点から、軸①(脳幹・脳神経経路)と軸②(小脳・大脳基底核:運動制御)を中心に施術を設計しました。
評価では、目を閉じての立位バランステストで身体が左へ大きく揺れる動きが反復し、ご本人にはその傾きの自覚がほとんどないという結果でした。これは、固有受容入力と前庭入力を中枢で統合して姿勢を保つ仕組み(軸①②)に揺らぎがあるサインです。指を目で追う検査でも、横方向の眼球運動でわずかなぎこちなさが見られ、軸①脳幹レベルでの調整の質が落ちている可能性が示唆されました。触診では、脊柱起立筋・腰方形筋(特に右側)の持続的な硬さ、お腹側からの腸腰筋の深部の張り、中殿筋の硬さが顕著で、骨盤の安定性に直接関わる深層筋がそろって機能を落としている状態でした。風邪で3日間ベッド上だった経過も、もともと弱かった姿勢支持系の機能をさらに低下させた可能性があります。
施術は、まず脊柱起立筋・腰方形筋・中殿筋に対して鍼と低周波電気刺激を組み合わせた介入で表層〜中層の筋緊張を一段落とし、続いて顔面(三叉神経の出口)と咀嚼筋への振動刺激で軸①脳幹レベルへの入力を整え、最後に手技で腸腰筋への深部圧迫と片膝抱え込みストレッチ、中殿筋のリリースを行う、という順序で進めました。神経 → 表層〜中層筋 → 深層筋・関節という流れで段階的に介入することで、骨盤の安定性を整え、立ち上がり動作での痛みのトリガーを取り除くことを狙いました。
変化のプロセス
施術後に再度動作の確認をすると、立位での前屈・後屈ともに痛みが出ず、立ち上がる動作も施術前に比べてかなりスムーズになっていました。痛みのスケールは、ご本人の体感で施術前の7〜8から3前後まで下がりました。
左右ひねりの動作はもともと痛みが軽い領域でしたが、施術後はさらに動きの抵抗感が減り、骨盤と上半身が一体的に動く感覚に戻ってきました。腸腰筋の張りが下がり、中殿筋が反応しやすくなったことで、骨盤側からの安定性が回復してきたサインです。
K様ご自身からも「立つときが楽になった」「動かしたときの引っかかる感じが減った」という言葉がありました。
施術を通じた生活の変化
今回は初回の施術のため、生活面での変化を観察するのはこれからとなります。ただし、施術直後の段階で、立ち上がり動作・前後屈の痛みが大きく下がっていたことから、夜間の痛みでの覚醒回数や、日中に座位を保てる時間といった、これまで痛みに縛られてきた生活動作が、今後の施術の積み重ねの中で変わっていく方向性が見えています。あわせて、30分以上の同一姿勢を避けること、座る際は深く腰掛けて背もたれを使うこと、両足に均等に体重を分けて立つこと、痛みが落ち着いた段階で行う片膝抱え込みストレッチを左右各30秒2セット、という4点をセルフケアとしてお伝えしました。施術後2〜3日は、深い筋膜が緩む過程で一時的に重さや張りが出る場合があることも事前にお伝えし、その時期は水分摂取を意識していただくよう共有しています。
来院頻度・期間の目安
K様は、深層筋の硬さと姿勢支持系(インナーマッスル)の機能低下が長期にわたって積み重なっていることに加え、数ヶ月単位での腰痛の再発を繰り返してきた経緯があるため、初期は3〜4日後の再来からスタートし、最初の1〜2週間は週2回程度のペースで来院していただくプランをご提案しました。脳と身体が「新しい正しい状態」を学習するためには、間隔を空けすぎずに繰り返し同じ良い状態を体験することが必要なためです。状態が安定してきた段階で週1回、その後は2週に1回、最終的には月1回のメンテナンスへ移行していく流れです。次回以降は、深層筋のリリースに加えて、姿勢支持系の活性化(骨盤の安定性を支える筋群の入力を整える)を組み合わせていく予定です。
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