K様(下松市内在住・事務職)は、1日8時間の勤務のうち7時間以上を座位で過ごす働き方を続けるなかで、慢性的な首肩こり・腰痛、そして仕事終わりに足がパンパンになるほどのむくみに悩まされており、当院にご来院されました。自宅でマッサージを続けて朝には一旦楽になるものの、仕事が終わる頃には元の状態に戻ってしまう──そんな自己ケアの限界を感じての来院となりました。本記録は、初回施術での評価と介入、その直後の変化、今後の方針をまとめたものです。
来院時の状態
主訴は3つでした。1つ目は、首と肩にかけての慢性的なこり感で、特にデスクワーク中盤以降に強くなる重さ。2つ目は、座位を長時間保つことで強くなる腰の痛みで、仰向けに寝たときには腰と床のあいだに明確な隙間(骨盤前傾傾向)を自覚されている状態でした。3つ目は、勤務後半から夕方にかけて顕著になる足のむくみで、仕事終わりには靴がきつく感じるほどでした。自宅でのマッサージで朝には楽になるものの、夕方には再び戻る、というサイクルが固定化していました。運動習慣はなく、長時間の座位姿勢が日常の大半を占めていたことが背景にありました。
施術の経過
今回はブレシア®(brascia®/商標登録 第6920621号)の視点から、軸①(脳幹・脳神経経路)と軸②(小脳・大脳基底核:姿勢制御・運動制御)を中心に施術を設計しました。
姿勢評価では、立位写真で腰の位置がやや下がり、肩の高さに左右差が見られました。仰向けでの確認では、腰部と床のあいだに明確な隙間があり、骨盤が前傾位で固定されていることが触診からも確認できました。肩甲帯まわりは、肩前面のストレッチで強い圧痛が出るほど深層筋膜が硬く、肩甲骨そのものの可動域も大きく落ちていました。肩甲骨の動きが制限されると、上半身の重さを支える役割が腰部に流れてしまうため、腰の負担がさらに増す悪循環が起きていた状態です。足のむくみは、長時間の座位による下肢の循環停滞に加え、骨盤の前傾とそれに伴う股関節まわりの筋緊張が影響していると考えられました。
施術は、まず脳幹レベルへの入力を整える介入から始め、続いて肩甲帯〜胸郭〜上背部の深層筋膜マニピュレーション、骨盤まわりの位置と可動性の再構築、最後に下肢の循環を促す手技、という順序で進めました。中枢への入力を整えてから末梢へ介入する流れを守ることで、施術直後の体感だけでなく持続性を伴う変化を引き出すことを狙いました。
変化のプロセス
施術後に再度動作を確認すると、肩甲骨まわりの可動域が広がり、腕を上げる動作・後ろへ回す動作のいずれもスムーズに行えるようになっていました。仰向けでの腰の隙間も施術前より明確に減り、骨盤の位置が中間位に近づいた状態に戻っていました。姿勢写真の比較でも、施術前の腰の下がり・肩の上がりが軽減し、左右差の少ない状態へと変化していました。
K様ご自身からも、肩と首の重さが軽くなった感覚、腰まわりの安定感、立ち上がる際の楽さといった体感の変化が共有されました。足のむくみについては施術直後の体感が大きく変わる領域ではないものの、骨盤の位置と肩甲帯の可動性が整ったことで、勤務後半に向けてのむくみの出方が、今後の施術の積み重ねの中で変化していく方向性が見えています。
施術を通じた生活の変化
今回は初回の施術のため、生活面での変化の観察はこれからとなります。ただし、骨盤・肩甲帯・首の可動性という、座位を支える土台になる部分が施術直後の段階で動いたことから、デスクワーク後半に増していく首と肩の重さ、仰向け時の腰の違和感、夕方の足のむくみが、今後の施術の積み重ねによって変化していく方向性が見えています。あわせて、自宅でのセルフケアとして、30〜60分ごとに席を立って体勢をリセットすること、椅子に深く座り骨盤を立てた座位を意識すること、就寝前に肩甲骨を全方向に動かす簡単な運動を行うこと、の3点をお伝えしました。施術後1〜2日のあいだ、深い層の筋膜が緩む過程で一時的な張りや重さが出る場合があることも事前にお伝えしています。
来院頻度・期間の目安
K様は、長期にわたる座位姿勢による骨盤前傾の固定化、肩甲帯の深層筋膜の硬さ、それらに伴う姿勢支持系の機能低下が複合的に重なっている状態のため、初期は週1回程度のペースでの来院をお勧めしました。脳と身体が「新しい正しい状態」を学習し直すには、間隔を空けすぎずに繰り返し同じ良い状態を体験することが必要なためです。3〜4ヶ月を1つの目安として、症状の出方を10段階で表したときの体感を2〜3前後まで下げていくことを共通の目標とし、状態が安定してきた段階で月1〜2回のメンテナンスへ移行していくプランで進めていきます。次回以降は、骨盤位置の再評価と、肩甲帯まわりの深層筋膜への介入をさらに掘り下げていく予定です。
関連記事
ブレシア®の概念体系
関連症状ページ
関連Media(テーマ呼応)
本症例は、ブレシア®臨床設計に基づく経過記録です。
※この内容は、Emaps株式会社の「てあつい整体院 下松院」での実際の経過をもとに記録しています。
▶ 店舗情報はこちらからご確認いただけます。
https://teatsui-seitai.com/kudamatsu/
※ ブレシア®(brascia®)は医療行為の代替ではなく、状態把握とケアの質を高めるための独自フレームとして運用しています。
※ 症状によっては医療機関の受診が優先となる場合があります。
※ 本文書はEmaps株式会社が著作権を保有します。無断転載・二次利用を禁じます。
