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腰痛と姿勢の関係

首と腰、実は“一本のライン”。ストレートネックが腰痛をつくる理由とは?

こんにちは。てあつい整体院の佐伯です(柔道整復師・国家資格保有)。

当院には、

「腰ばかり施術しても、すぐ戻ってしまう」

「首や肩が前に出て、背中が張っている」

「慢性的な腰の重だるさが取れない」

といった、深刻な悩みを抱えた多くの患者様が来院されます。

実は、そのしつこい腰痛の本当の原因は、あなたが思っている場所とは違う「神経の疲れ」にあるのかもしれません。

今回はそのメカニズムを、専門家の視点から徹底的に解説していきます。

首と腰は“神経”でつながっている

人の背骨(脊柱)は、首から骨盤まで一本の柱のようにつながり、その中を脳と全身をつなぐ脊髄神経が通っています。

首(頸椎)の位置や動きの乱れは、この神経の働きに影響を与え、腰の筋肉や姿勢の制御にも関わってきます。

つまり、首の問題は腰の働きにまで波及するのです。

ストレートネックとは?

本来、首の骨(頸椎)はゆるやかな前弯カーブを描いています。

しかし、スマホやPCの長時間使用などでこのカーブが失われ、首がまっすぐになった状態をストレートネックといいます。

ストレートネックになると、頭が前方に出た姿勢(いわゆる「猫背」)になり、首や背中の筋肉に常に緊張がかかります。

頭の重さは約5kgといわれ、この位置ずれが続くと首だけでなく背中や腰の筋肉まで引っ張られるように負担が増えてしまいます。

この姿勢は筋肉の問題だけでなく、視覚(眼)や前庭覚(平衡感覚)の働きにも影響を及ぼします。

ストレートネックが“視覚”に与える影響

首の位置が変わると、眼の位置も変わります。

頭が前に出た姿勢では視界の水平ラインが下がり、無意識に“上目づかい”で見るようになります。

この状態が続くと:

  • ピント調整が乱れて目が疲れやすくなる
  • 見る方向に左右差が出る
  • 首や後頭部の筋肉が緊張して眼球の動きが制限される

実は、目から入る情報は姿勢バランスを保つための重要なセンサーです。

見え方がズレると脳は体の位置を誤認し、姿勢を補正しようと無意識に体の別の部分、特に腰に負担をかけることが多く見られます。

ストレートネックが前庭覚(平衡感覚)に与える影響

前庭覚とは内耳で感じる「身体の傾き・揺れ・回転」の感覚です。

頭が前に出ると内耳(前庭器官)の位置も相対的に変化し、脳は「どこがまっすぐか」を正しく判断できなくなります。

その結果、脳はバランスを取るために腰や骨盤まわりの筋肉を使って補正しようとします。

これが続くと腰まわりの筋肉が常に緊張し、「腰が重い」「張る」「疲れが抜けない」といった症状につながります。

視覚・前庭覚はなぜ重要か

視覚と前庭覚は、頸部(首)の感覚と常に連携して働くシステムです。

  • 視覚 → 「どこを見ているか」「どの方向を向いているか」を知らせる
  • 前庭覚 → 「体がどちらに傾いているか」「どのように動いているか」を知らせる
  • 頸部の感覚 → 「頭がどの位置にあるか」を知らせる

この3つの情報が一致して初めて脳は正確に「今の姿勢」を把握できます。

どれか1つでもずれると、脳は不安定と判断し、腰や背中を固めてしまいます。

その結果、腰の筋肉が過剰に働く悪循環が発生します。

首から腰までの背骨をつなぐ筋膜ラインや神経の連動にも注目が必要です。

後頭部から背中、腰まで続く後面ラインは一本のゴムのように連動しており、首の位置が少し前にずれるだけで背面全体にテンションがかかり、腰の動きまで硬くなります。

まとめ

  • ストレートネックは視覚・前庭覚の乱れを引き起こす
  • 見え方・バランス感覚のズレが腰の負担を増やす
  • 首と腰を“ひとつのシステム”として整えることで根本改善が可能になる

腰痛を根本から改善するためには、「腰だけ」ではなく「首・視覚・前庭覚」をひとつのシステムとして整える視点が必要です。

首が整うと、視覚と前庭の情報が安定し、脳が正しく姿勢をコントロールできるようになります。

その結果、腰が無理なく支えられる体に変わっていくのです。

最後に

いかがでしたでしょうか?

てあつい整体院では、神経学や解剖学に基づいた施術を行っています。

不調の背景は単純ではなく、生活習慣や体質、脳神経・筋膜・骨格・ホルモンなどが複雑に関係しています。

だからこそ私たちは、評価 → 施術 → 再評価を重ね、リセット → 学習 → 定着のプロセスを大切にしています。

その積み重ねを通じて「心身の変化」を実感し、あなたらしい日常を取り戻していただけるようサポートいたします。

※効果や体感には個人差があり、必要に応じて医療機関の受診をご案内します。