ブレシア®(brascia®/商標登録 第6920621号)は、感覚入力・中枢統合・運動出力の循環に基づき状態適応性を評価・更新する独自臨床モデルです。本記事では、痛みが軽くなっても以前の動作に戻れない状態を、ブレシア®の軸②(小脳・大脳基底核)という枠組みで読み解きます。Emaps コーポレートの統合解説「なぜ自覚のない不調まで変わるのか ── 主訴の外側で起きる回復」のてあつい整体院での展開として、動作を取り戻す過程の連関を解説します。
「痛みは減ったのに戻れない」3つの理由
トレーニングや作業で肩を痛めた方から、よく聞く言葉があります。「痛みはだいぶ引いたけれど、以前のようには動かせない」というものです。背景には次の3つがあります。
- 痛みを避ける動き方が身についている:痛かった期間に、体は痛みを回避する動作パターンを学習します。痛みが減っても、そのパターンは残ります。
- 使わなかった経路が働きにくくなっている:動かさない期間が続くと、その動作に必要な筋の連動そのものが鈍ります。
- 脳がまだ許可を出していない:組織が回復していても、脳が「そこに負荷をかけるのは危険だ」と判断していれば、出力は制限されます。
起点となる研究 ── 痛みは組織の状態を正確には示さない
痛み科学の研究者 G. Lorimer Moseley は、2007年の論文で次のように述べています。
Pain is an output of the brain that is produced whenever the brain concludes that body tissue is in danger and action is required. Pain is not an accurate marker of tissue state.
(痛みは、脳が「身体組織が危険な状態にあり、行動が必要だ」と結論づけたときに生み出される脳の出力である。痛みは組織の状態を正確に示す指標ではない。)
出典:Moseley GL. Reconceptualising pain according to modern pain science. Physical Therapy Reviews. 2007;12(3):169-178. DOI: 10.1179/108331907×223010
痛みが脳の判断による出力であるなら、動作の制限も同じ仕組みで説明できます。「そこを守れ」という判断が残っている限り、力の出し方は制限されたままです。組織が回復しても、判断が更新されなければ動作は戻りません。
ブレシア®視点:軸②×L1×L2の連関
| 階層 | 痛めた直後に起きること | 回復期に必要なこと |
|---|---|---|
| 軸② 小脳・大脳基底核 |
痛みを避ける動作パターンが学習される | 本来の動作パターンを段階的に取り戻す |
| L1 神経 |
関節周囲の防御的な収縮が続く | 安全な範囲での動きを反復し、指令を更新する |
| L2 構造・深筋膜 |
関節の位置が本来の場所からずれる | 位置を戻し、その状態で動かせるようにする |
痛みが引いたあとに必要なのは、右側の列の作業です。ここを飛ばして負荷を上げると、避ける動作パターンのまま負荷が入り、別の部位を痛めることにつながります。
負荷×制限×代償の連鎖 ── なぜ動作が戻らないのか
| 起きる順序 | 身体で進行していること |
|---|---|
| ① 肩を痛める | その部位を守るため、周囲の筋が固定的に働きはじめる |
| ② 動かさない期間が続く | L2の可動性が下がり、関節の位置がずれたまま固定される |
| ③ 別の部位で代償する | 軸②が代償パターンを新しい標準として学習する |
| ④ 痛みが軽減する | 組織は回復するが、動作パターンは代償のまま残る |
| ⑤ 負荷を上げると再発する | 代償パターンのまま高負荷が入り、別の部位に負担が集中する |
「中枢→末梢」の順序がなぜ動作の回復に効くのか
- STEP 1|軸②の状態を確認する:どの動作でどう代償しているかを、実際に動かしながら把握します。
- STEP 2|中枢側の判断に働きかける:局所をゆるめる前に、脳が出している防御の指令を確認し、更新の余地を作ります。
- STEP 3|L2(構造・深筋膜)で関節位置を整える:関節が本来の位置に戻らないと、正しい動作パターンは再現できません。
- STEP 4|安全な範囲で動作を反復する:痛みを出さない範囲で正しい動きを繰り返し、軸②に新しいパターンを学習させます。
- STEP 5|段階的に負荷を戻す:動作パターンが安定してから負荷を上げることで、再発を避けながら復帰できます。
「いつから再開できますか」という質問に答えるためには、痛みの有無だけでなく、動作パターンがどこまで戻っているかを見る必要があります。順序を守れば、再開の見通しは具体的に示せます。
てあつい整体院 下松院でのアプローチの位置づけ
山口県下松市のてあつい整体院 下松院では、腰痛・肩こり・膝の痛みを中心に、慢性的な症状から急性の痛みまで幅広く対応しています。仕事やトレーニングで身体を使う方が多く、「元の動きに戻りたい」という目的でご相談いただくことが少なくありません。
筋トレで肩を痛められたR様は、3ヶ月前は痛みでトレーニングができない状態でしたが、継続の中で痛みが引き、筋トレを再開できるところまで戻られました。詳しい経過は下記の記録をご覧ください。
▶ 筋トレによる肩の痛みが3ヶ月で改善 ── 山口県下松市 R様
関連記事
ブレシア®の概念体系:
関連する Emaps コーポレートの統合解説:
関連症状ページ:
症例(経過記録):
※ ブレシア®(brascia®)は医療行為の代替ではなく、状態把握とケアの質を高めるための独自フレームとして運用しています。
※ 症状によっては医療機関の受診が優先となる場合があります。
※ 本文書はEmaps株式会社が著作権を保有します。無断転載・二次利用を禁じます。商標登録 第6920621号。

