こんにちは。てあつい整体院の佐伯です(柔道整復師・国家資格保有)。
当院には
「デスクワークで午前中から腰が硬くなる」
「中腰作業で腰がズーンと重くなる」
「湿布や薬ではもう効かなくなってきた」といった悩みを持つ患者様が多く来院されます。
実はそのしつこい腰痛の原因のひとつに「呼吸の質」が関わっている可能性があることをご存じでしょうか?
今回はそのメカニズムを、専門家の視点から徹底的に解説していきます。
腰痛と呼吸、肋骨の間との関係性
呼吸のたびに肋骨は広がったり縮んだりし、胸郭全体が動きます。
しかし、デスクワークや猫背姿勢が続くと肋骨の間や横隔膜が硬くなり、胸郭の柔軟性が失われます。
その結果、体幹の動きが制限され、腰への負担が大きくなります。
実際に研究では、慢性腰痛患者は健康な人に比べて呼吸のため筋肉の働きが弱く、胸郭の可動性も低いことが報告されています。
腰痛と呼吸、自律神経系との関係
呼吸は自律神経の働きと深く関わっています。
浅い呼吸が続くと交感神経(身体のアクセルのようなもの)が優位になり、筋肉の緊張が高まりやすくなります。
一方で、深い腹式呼吸を行うと副交感神経が働き、体がリラックスして腰の緊張も和らぎます。
ある研究では、深い腹式呼吸を続けた慢性腰痛患者が痛みの軽減と生活の質の向上を得られたと報告されています。
腰痛改善のための呼吸アプローチ
- 腹式呼吸:お腹に手を当て、吸気でお腹を膨らませ、呼気でへこませることを意識。
- 胸郭ストレッチ呼吸:肋骨を横に広げるイメージで深呼吸し、胸郭の柔軟性を高める。
- 静かな環境での呼吸:リラックスした状態で呼吸に集中することで副交感神経を優位に。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
てあつい整体院では、神経学や解剖学に基づいた施術を行っています。
不調の背景は単純ではなく、生活習慣や体質、脳神経・筋膜・骨格・ホルモンなどが複雑に関係しています。
だからこそ私たちは、評価 → 施術 → 再評価を重ね、リセット → 学習 → 定着のプロセスを大切にしています。
その積み重ねを通じて「心身の変化」を実感し、あなたらしい日常を取り戻していただけるようサポートいたします。
※効果や体感には個人差があり、必要に応じて医療機関の受診をご案内します。
参考文献
- ヤンセンス, L., ブルマーニュ, S., マコネル, A. K., ほか. (2013). 慢性頸部痛および腰痛における呼吸機能障害:臨床的意義、メカニズム、および臨床実践. 『マニュアルセラピー』, 18(6), 449–456.
- ルッソ, M., ほか. (2017). 慢性腰痛患者における横隔膜呼吸が痛みおよび健康関連QOLに及ぼす効果. 『ジャーナル・オブ・バック&マスキュロスケレタル・リハビリテーション』, 30(4), 711–719.
- ロシャ, T., ほか. (2015). 吸気筋トレーニングは慢性腰痛患者の姿勢と可動性を改善する. 『スパイン』, 40(6), 419–426.
- コートニー, R. (2021). 慢性疼痛患者における呼吸再訓練:スコーピングレビュー. 『ペイン・メディシン』, 22(3), 551–561.