こんにちは。てあつい整体院の佐伯です(柔道整復師・国家資格保有)。
当院には、
「まっすぐ立つと腰がズーンと重くなる」
「姿勢が安定しない、疲れやすい」
「マッサージをしても効果がない」
そんな日常に悩まされている多くの患者様が来院されています。
実は、そのしつこい腰痛の本当の原因は、
あなたが思っている場所とは違う「神経の疲れ」「平衡感覚システムの低下」にあるのかもしれません。
今回はそのメカニズムを、専門家の視点から徹底的に解説していきます。
前庭機能とは?
前庭機能とは、内耳にある「三半規管」と「耳石器(じせきき)」で構成されるバランスのセンサーです。
これらは、頭の位置や動きを常に感知し、姿勢を保つための信号を脳幹や小脳へ送る重要な役割を担っています。
この情報が適切に伝わらないと、身体は「今どんな姿勢か」「どこに重心があるか」を正確に把握できず、筋肉や関節に余分な負担がかかりやすくなります。
その結果、腰部の筋緊張や代償動作が慢性化し、腰痛を引き起こすことがあります。
前庭脊髄反射(Vestibulospinal Reflex:VSR)とは
前庭系と脊髄をつなぐ重要な経路が、「前庭脊髄反射(VSR)」です。
VSRは、前庭からの感覚情報をもとに体幹・下肢の筋緊張を自動的に調整する反射です。
たとえば、頭が右に傾くと、左側の体幹・下肢の筋肉を反射的に収縮させて姿勢をまっすぐ保ちます。
この反射機能が低下すると、
・一方向への姿勢崩れ(傾き)
・体幹筋の左右差
・腰部の筋肉の過緊張
などが生じ、結果的に慢性的な腰痛へとつながることがあります。
誤った姿勢のバランスと腰痛の悪循環
前庭機能が低下すると、身体は「視覚」や「体性感覚(足裏や筋肉の感覚)」に過剰に頼るようになります。
これが長く続くと、脳は誤った姿勢パターンを学習し、
・片側重心
・骨盤の傾き
・脊柱のねじれ
が固定化され、腰部の筋膜や関節にストレスが蓄積します。
これが、マッサージやストレッチだけでは改善しない慢性腰痛の背景にある、神経学的なメカニズムです。
てあつい整体院の改善アプローチ
てあつい整体院では、前庭機能を含む「脳神経系のバランス」を評価し、以下のような施術を行っています。
- 前庭刺激トレーニング(頭部回旋・傾斜運動による前庭再教育)
- 眼球運動訓練(前庭眼反射:VORの改善)
- 脳幹刺激(TNブレイン)による活性化
- トムソンベッドによる骨格矯正
- 楽トレEMSによる体幹安定化
これらを組み合わせ、神経から姿勢を再構築することで、再発しにくい身体づくりをサポートします。
まとめ
腰痛の原因は、筋肉や骨格だけでなく、脳幹や前庭などの神経系の機能低下によって引き起こされることがあります。
「バランスが取りづらい」「立っているだけで疲れる」方は、前庭機能のチェックが必要かもしれません。
いかがでしたでしょうか?
てあつい整体院では、神経学や解剖学に基づいた施術を行っています。
不調の背景は単純ではなく、生活習慣や体質、脳神経・筋膜・骨格・ホルモンなどが複雑に関係しています。
だからこそ私たちは、評価 → 施術 → 再評価を重ね、リセット → 学習 → 定着のプロセスを大切にしています。
その積み重ねを通じて「心身の変化」を実感し、あなたらしい日常を取り戻していただけるようサポートいたします。
※効果や体感には個人差があり、必要に応じて医療機関の受診をご案内します。
参考文献
- バラバン, C. D., & ジェイコブ, R. G. (2001). 前庭系の背景と構造およびその姿勢と歩行における役割. 『ニューヨーク科学アカデミー紀要』.
- ディータリッヒ, M., & ブラント, T. (2016). 前庭系:解剖学および機能的神経解剖学. 『臨床神経学ハンドブック』.
- ライン, R. M., (2013). 慢性腰痛を有する成人における前庭機能と運動パフォーマンスの関係. 『フィジカル・セラピー』, 93(9), 1239–1247.
- ボルトン, P. S. (2015). 姿勢制御における前庭脊髄系と網様体脊髄系の相互作用. 『プログレス・イン・ブレイン・リサーチ』, 218, 189–202.