こんにちは。てあつい整体院の佐伯です(柔道整復師・国家資格保有)。
当院には、
「腰の痛みがなかなか取れない」
「姿勢を正そうとしても、すぐ戻ってしまう」
「マッサージでは良くなるけど、また痛みが出る」
といった深刻なお悩みを抱えた多くの患者様が来院されます。
そんな方の中には、“眼の使い方”が関係しているケースがあります。
実は、そのしつこい腰痛の本当の原因は、あなたが思っている場所とは違う「眼の影響」「神経の疲れ」にあるのかもしれません。
今回はそのメカニズムを、専門家の視点から徹底的に解説していきます。
なぜ「眼」が腰痛に関係するのか?
私たちの身体は、主に次の3つの感覚情報をもとにバランスを取っています。
| 感覚 | 役割 |
|---|---|
| ① 眼(視覚) | 水平・空間・頭の向きを感じる |
| ② 内耳(前庭) | 重力・傾き・加速度を感知 |
| ③ 筋肉・関節(固有受容器) | 身体の位置や動きを感じる |
これらの情報は脳で統合され、「まっすぐ立つ・歩く・姿勢を保つ」ことを支えます。つまり、 眼の機能が乱れると、全身の姿勢が崩れ、腰への負担が増えるのです。
眼球運動の機能低下が起こる主な原因
近くのものばかり見続ける生活
- スマホ・PC・タブレット・ゲームなどで「40cm以内の近距離」を長時間見る。
- 視線が上下左右に動かず、“1点を凝視する”視覚のクセがつく。
- ピントを合わせる毛様体筋が過剰に緊張し、逆に「遠くを見る力」が低下。
眼鏡・コンタクトによる視覚の固定
- 常に度の合ったレンズを通すため、目の筋肉や焦点調整機能を自力で使う機会が減る。
- 特に遠視・乱視に対する強めのメガネは、眼球の微調整機能を低下させることも。
- 左右の視力差がある場合、片目ばかりが働いて両眼視機能が低下(→斜位・眼精疲労)。
左右・上下への目の動きが少ない生活
- 本来、眼球は360°動く筋肉に支えられているが、スマホやPCでは視野が固定。
- 水平方向・垂直方向に目を動かす回数が減少。
- 結果として外眼筋の柔軟性が低下し、スムーズな追視が難しくなる。
自律神経・脳の疲労(眼と小脳・脳幹の関係)
- 長時間の視覚入力は視覚野だけでなく、小脳・脳幹にも負担。
- 小脳は「眼球運動+姿勢制御+体幹の安定」を同時に調整する中枢。
- ここが疲労すると、視覚のズレ→姿勢の崩れ→首や腰の筋緊張が起こる。
姿勢不良が視覚機能を悪化させる
- 猫背・頭部前方位になると、眼球は下向きになりやすく、下方視で固定される。
- 眼球運動が単調になり、視覚機能がさらに低下。
- 首(頸椎)周囲の神経・血流低下で、ピント調整や瞬きにも影響。
見え方が整うと、なぜ腰がラクになるのか?
- 視覚のズレが整う → 頭の位置・姿勢の中心軸が安定。
- 体幹の無駄な緊張が減り、腰・背中・首の筋肉がゆるむ。
- 小脳が正しく身体を認識できるようになり、動きがスムーズに。
「目の使い方を整えたら腰が軽くなった」
という患者様の声も少なくありません。
まとめ
- 腰痛や姿勢の崩れの原因は、「骨」や「筋肉」だけではない。
- 視覚・眼球運動の乱れは、小脳や体幹バランスを狂わせる。
- 眼と身体は、神経・小脳・姿勢制御システムを通して深くつながっている。
- だからこそ、腰痛改善には“見方(視覚)を整えること”も重要。
いかがでしたでしょうか?
てあつい整体院では、神経学や解剖学に基づいた施術を行っています。
不調の背景は単純ではなく、生活習慣や体質、脳神経・筋膜・骨格・ホルモンなどが複雑に関係しています。
だからこそ私たちは、評価 → 施術 → 再評価を重ね、 リセット → 学習 → 定着のプロセスを大切にしています。
その積み重ねを通じて「心身の変化」を実感し、あなたらしい日常を取り戻していただけるようサポートいたします。
※効果や体感には個人差があり、必要に応じて医療機関の受診をご案内します。
参考文献
- Investigating Eye Movement and Postural Stability in Healthy Adults(2024)— 視覚・眼球運動と姿勢制御(ポストゥラルスタビリティ)の関連をモバイル眼球トラッキングとポストログラフィーで検証。
pmc.ncbi.nlm.nih.gov - The impact of eye movement on postural control depends on movement type(2023)— サッカードと追視運動が姿勢制御へ与える影響の違いを比較。
sciencedirect.com - Eye Position Shifts Body Sway Under Foot Dominance Bias in the Absence of Visual Feedback(2022)— 視覚遮断下でも眼球位置(外眼筋プロプリオセプション)が身体の揺れに影響。
frontiersin.org - The role of eye movement in upright postural control(2009)— 直立姿勢時の眼球運動抑制条件と体幹揺れ(COP変動)の関係。
kanazawa-u.repo.nii.ac.jp - How body postures affect gaze control in scene viewing(2024)— 姿勢(座位・立位)が視線制御・眼球運動に及ぼす影響。
link.springer.com
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