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腰痛と姿勢の関係

産後は骨盤底筋が弱くなる!?──骨盤底筋と腰痛の関係

こんにちは。てあつい整体院の佐伯です(柔道整復師・国家資格保有)。

出産を終えた女性の多くが、
「骨盤の歪み」や「腰の重だるさが続く」
といった、深刻な悩みを抱えた多くの患者様が来院されます。

実はその原因は、骨盤の中で“身体を支える重要な筋肉=骨盤底筋群”がうまく働いていないことにあるかもしれません。

今回はそのメカニズムを、専門家の視点から徹底的に解説していきます。


そもそも、骨盤底筋群とは?──「内側から身体を支えるインナーユニット」

骨盤底筋群は、骨盤の底をハンモックのように支える筋肉の集まりで、
「内側から身体を支えるインナーユニット」と言えます。

膀胱・子宮・直腸などの臓器を下から支えています。

この筋群は、
・腹横筋
・多裂筋
・横隔膜
と連動して「インナーユニット」を形成し、姿勢の安定や腰椎の支持に深く関わります。


出産によって骨盤底筋が弱くなる理由

出産時、赤ちゃんが産道を通る際に、骨盤底筋群は大きく引き伸ばされます。
この過程で、筋肉や結合組織には微細な損傷が起こり、骨盤底筋を支配する仙骨神経・陰部神経の働きが低下することがあります。

さらに、妊娠中に分泌されるリラキシンというホルモンは、関節や靱帯をゆるめて出産を助ける働きがありますが、
その影響で骨盤まわりの安定性が一時的に失われます。

結果として、
・骨盤底筋群が“力を入れるにくい状態”が続く
・腹圧を保つ神経がうまく働かない
・姿勢維持のために腰部の筋肉が過剰に緊張する
といった状態が生じ、腰痛へとつながっていきます。

つまり、出産後の腰痛は単なる「筋肉の疲労」ではなく、
神経とホルモンの変化により、身体のコントロールシステムが乱れている状態なのです。


骨盤底筋の弱化が“慢性腰痛”につながるメカニズム

骨盤底筋群は、腰の筋肉とは直接つながっていませんが、
神経的な連携で姿勢保持に重要な役割を果たしています。

  1. 支える力の低下:骨盤が前後に揺れやすくなり、腰椎への負担が増す。
  2. 腹圧のコントロール低下:腹腔内圧が保てず、脊柱を安定させにくくなる。
  3. 仙骨神経・陰部神経の機能低下:骨盤底筋群の再教育が遅れ、腰部筋群が代償的に過活動。
  4. 結果:脳が“常に力を入れた姿勢”を学習し、慢性腰痛が定着してしまう。

あなたの「産後の腰痛」も、神経から変わる。

てあつい整体院では、神経学や解剖学に基づいた施術を行っています。

不調の背景は単純ではなく、ホルモンバランス・姿勢・神経・筋膜などが複雑に関係しています。
そのため、評価 → 施術 → 再評価を重ね、リセット → 学習 → 定着のプロセスを大切にしています。

その積み重ねを通じて「心身の変化」を実感し、あなたらしい日常を取り戻していただけるようサポートいたします。
※効果や体感には個人差があり、必要に応じて医療機関の受診をご案内します。


参考文献

  • Smith, M. D. et al. “The role of the pelvic floor in lumbopelvic stability.” Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy, 2006.
  • Sapsford, R. et al. “Co-activation of the abdominal and pelvic floor muscles during voluntary exercises.” Neurourology and Urodynamics, 2001.
  • Hodges, P. et al. “Motor control of the pelvic floor and relationship to low back pain.” Pain, 2007.